台湾ドラマや台湾の日常会話で耳にする、中国語とは少し違う言葉「台湾語(台語)」。

家庭内やローカルな場所ではよく飛び交っている、あの言葉は台湾語?

台湾では中国語を話すけど、お年寄りを中心に台湾語もまだまだ現役だよ!どういう言葉なのか、基本的なフレーズを紹介しよう!
この記事では、台湾語の基本情報から、中国語との発音や文法の明確な違い、日常会話ですぐに使える便利なフレーズまでを詳しく解説します。
さらに、日本人にとって親近感が湧く「日本語由来の台湾語」も交え、台湾の言葉の魅力を深掘りするお手伝いをします。
なお、本記事で「中国語」と表記する場合は、台湾で一般的に使われる「台湾華語」を指します。
台湾語(台語)とはどんな言語?

台湾語(台語:Tái yǔ)は、主に台湾で話されている言語の1つです。
ルーツは中国の福建省南部で話されている「閩南(びんなん)語」にあり、台湾の人々にとって非常に親しみ深い、生活に根付いた言語です。
話し言葉として受け継がれてきた歴史
台湾語はもともと文字を持たず、口伝えで受け継がれてきました。
現在では漢字を当てはめて表記することもありますが、基本的には「話し言葉」として使われます。
かつて、学校教育で台湾語の使用が禁止された時代(約10年間)があった影響で、都市部を中心に台湾語を話せない世代が増加しました。
現在ではこの減少を食い止めるため、小学校の授業に台湾語が取り入れられています。
ただ、各地域で独自に発展してきた言語ゆえに「標準語」がなく、教科書の台湾語を見て「こんな表現知らない!」と親世代が驚くことも珍しくないようです。

方言差が大きくて、ほかの地域で話すと台湾人同士でも通じないってこともあるみたいだよ!
それでも、お年寄りを中心に台湾全土で広く使われており、旅行者が少しでも台湾語を話すと、現地の人はパッと笑顔になって喜んでくれます。
台湾語と中国語の3つの大きな違い

「台湾語は中国語(台湾華語)の方言?」と思われがちですが、実は英語とドイツ語くらい離れた全く別の言語です。
同じ台湾という地域で使われ、ルーツを辿れば親戚関係にはありますが、互いの言葉だけでスムーズなコミュニケーションを取ることは困難です。
台湾語と中国語には以下のような違いがあります。
- 発音(声調): 中国語の4声に対し、台湾語は7声あり、連続する音で変化する「転調」が複雑
- 表記方法: 漢字だけでなく、台湾語特有の語彙を表すためのローマ字(POJや台羅など)を多用する
- 語彙と文法: 対象によって細かく変わる動詞や、「有〜無?」といった台湾語特有の構文がある
私自身、中国語をある程度マスターしていても、台湾語は推測で理解できるレベルを軽く超えています。
方言という枠を越え、「一から別の言語を学ぶ」つもりで向き合う必要があるほど、独自の進化を遂げているのです。
ここでは、中国語学習者ならぜひ知っておきたい、台湾語と中国語を決定的に隔てている「発音・表記・語彙と文法」の3つの違いについて、さらに詳しく紐解いていきましょう。
1. 発音と声調(トーン)の複雑さ

中国語の声調(音の上がり下がり)が4種類なのに対し、台湾語の声調は7種類もあります。
さらに、後ろに別の言葉が続くと音が変化する「転調」というルールがあります。
転調はややこしいですが、実は「連続して発音しやすくするため」の変化なので、慣れたらそれほど苦になりません。
2. 表記方法(漢字とローマ字のミックス)
台湾語の表記方法は、漢字とローマ字の混ぜ書きが主流です。
台湾語には漢語由来ではない語彙が20~30%含まれており、それらを表記する際は主にローマ字が使われます
日本語で、漢字がない言葉をひらがなで書く感覚に似ています。
テキストなどでよく使われるローマ字表記は、主に以下の2種類です。
- 白話字(POJ / 教会ローマ字): 19世紀後半に確立。日本で出版されるテキストの多くが採用
- 台羅(TL / 臺灣閩南語羅馬字拼音方案): 2006年に台湾政府が公式表記法と制定。近年の教科書や文書で主流。
これから台湾語を学習する方は、自分が使うテキストやアプリがどちらのローマ字表記を採用しているか、最初に確認しておくと混乱せずに学習を進められます。
3. 語彙の豊かさと独自の文法
台湾語は、1つの動作に対する語彙が非常に豊かです。
例えば、日本語の「剥(む)く」という動作も、台湾語では対象によって単語が変わります。
- lut黜: ピーナツなどの薄皮を指先で剥く
- peh擘: みかんの皮などを剥く
- pueh削: 大根などを刃物で剥く
また、文法面では「ū有+(形容詞や動詞)+bô無?」という独自の疑問文構文があります。
例えば「彼女はきれいですか?」は、中国語なら「她漂亮嗎?」ですが、台湾語では「伊有水無(I ū súi bô)?」となります。
台湾で話される中国語の「她有沒有漂亮?」という言い回しは、まさにこの台湾語の文法に強く影響を受けているのです。
💡あわせて読みたい
台湾語だけでなく、「台湾の中国語(台湾華語)」と「中国大陸の中国語」にも発音や漢字の違いがあります。
詳しくは「台湾華語と中国語の5つの違いとは?発音・漢字・単語を徹底解説」で解説しています。

今日から使える!便利な台湾語フレーズ集

台湾旅行で飲食店や夜市に行った際、以下のフレーズを使ってみましょう。

一気にローカル感が味わえるよ
台湾では中国語で十分コミュニケーションが取れますが、挨拶やお礼の場面で台湾語を加えると、現地の人との心理的な距離がグッと縮まります。
ここでは、旅行や日常会話ですぐに使える、超基本の台湾語フレーズを厳選しました。
発音のイメージも添えているので、ぜひ今日から声に出して練習してみてください。
基本の挨拶&コミュニケーション
どんな場面でも役立つ「基本の挨拶とお礼」のフレーズです。
台湾語の発音は複雑だとお伝えしましたが、まずはカタカナ読みで話しかけてみましょう。
現地の人は前後の文脈やシチュエーションから汲み取って笑顔で応じてくれることがほとんどです。

あまり難しく考えすぎず、気軽な気持ちで言葉に出して練習してみよう!
| 読み方 | 漢字表記 | 意味・使い方 |
| リーホー | 你好 | 「こんにちは」 一番基本の挨拶 「ホー」の部分は、上から下へ音を下げる(↘)イメージで発音しましょう |
| ジャバーボエ? | 呷飽没? | 直訳は「ご飯食べた?」 台湾では「いい天気ですね」と同じくらいの感覚で使われる、定番の挨拶フレーズ |
| ドゥオシァー | 多謝 | 「ありがとう」 中国語の謝謝の代わりに、お店を出る時などに使ってみましょう |
| パイセー | 拍謝 | 「すみません」 街中で一番よく聞く言葉 人混みを通る時、少しぶつかった時、ちょっとしたお礼などにも使える |
特に「パイセー(拍謝)」は、台湾で最も耳にする機会が多い言葉です。
夜市の人混みを通り抜けたいときや、食堂で店員さんに声をかけたいときにとても便利です。
日本語の「すみません」と全く同じ感覚で、さまざまなシーンで使い回せます。
年齢と問わず広く浸透しているため、若者同士の会話でもよく登場します。
台湾で混み合う街を歩くときに、「パイセーパイセー」というと、ローカルへの溶け込み度が一気にアップして楽しいですよ。
食事&相槌で使えるフレーズ
続いて、美味しいものを食べた時や、会話の相槌として使える便利なフレーズです。
現地の人とのちょっとしたやり取りで、言葉がスッと出てくると会話が弾みますよ。
| 読み方 | 漢字表記 | 意味・使い方 |
| ホージャー | 好呷 | 「おいしい!」という意味 夜市で美味しいものを食べたら、ぜひお店の人に伝えてみましょう |
| ホウ | 好 | 「はい(OK)」という意味 お店で説明を受けた時の返事として便利に使える |
| ヘイアー | 黑啊! | 「そうだよ!」という意味 中国語の「對啊!」にあたり、会話の相槌で登場する |
| リャオガイ | 了解 | 「了解しました」という意味 目上の人やお店の人に使っても失礼にならない |
屋台や食堂で料理を堪能したら、帰り際に笑顔で「ホージャー!」と伝えてみてください。
きっとお店の人も嬉しそうに「ドゥオシァー」と返してくれるでしょう。

簡単な相槌の言葉も覚えて、現地の人とのコミュニケーションをもっと楽しもう
相手を褒める・自己紹介
最後に、相手を褒めたり自己紹介をしたりする時に使えるフレーズです。
台湾の人々は親日家が多く、日本人だと分かると話が盛り上がることも多いです。
| 読み方 | 漢字表記 | 意味・使い方 |
| シュイ | 水 | 「きれい」という意味 中国語の「漂亮」と同じ 発音が中国語の「水」に似ているため、当てられる |
| ジッブンラン | 日本人 | 「日本人」という意味 「ジッブンラン?」と聞かれたら、「ワーシージッブンラン(私は日本人です)」と答えましょう |
特に「ジッブンラン」は、現地でのコミュニケーションのきっかけになります。
台湾語で話しかけられたら、ぜひ笑顔で答えてみてください。
きっと相手も喜んでくれて、さらに温かい交流が生まれるでしょう。

綺麗な景色や素敵な物を見つけたときは、「シュイ!」といってみよう!
【番外編】これって日本語?台湾語に残る外来語
台湾には日本統治時代の影響で、日本語がそのまま台湾語として定着している単語が数多くあります。
日本人にとっては覚えやすく、一気に親近感が湧くはずです。
- 日常の言葉: オジサン(欧吉桑)、オバサン(欧巴桑)、トーサン(多桑)、カバン
- 車関連の言葉: ウンチャン(運將)、ドライバー、アクセル、エンジン、バックミラー
- その他の外来語: トマト、ネクタイ、タイル
上記の単語は、発音も意味も日本語とほぼ同じまま使われています。
日本統治時代という歴史が、言葉として現代の台湾にも息づいているのです。
会話の中でふと耳にすると、歴史の深さを実感させられます。
言葉の背景を知ることで、台湾語への興味がさらに深まるでしょう。
実際のやり取りの中から、ほかにも日本語由来の単語を探してみてくださいね。
ちょっと面白いユニークな表現
日本語由来の言葉の中には、台湾で独自の進化を遂げたものもあります。
世代を問わず日常会話でよく登場する、少しユーモアのある言葉を紹介します。
| 読み方 | 漢字表記 | 意味 |
| アタマコンクリ | 阿搭馬孔固力 | 日本語の頭とコンクリートを合わせた「頭が固い・馬鹿だ」という意味 冗談交じりに使われる |
| アタマショート | 阿搭馬秀逗 | 「頭がおかしい・ばかげている」という意味 冗談として使われる |
| アサブル | 阿撒布魯 | 日本語の「朝風呂」が語源 昔の台湾では非常識な行動だったため、「めちゃくちゃ・筋が通らない」という意味で使われる |
「アタマコンクリ」が一番よく聞き、日本語の「あほ」や「バカ」のような軽い感じの言葉です。
ただし、上記の言葉には、地域によって使われる世代に少し差があるようです。
台北などの北部では、主にお年寄りが使う古い言葉というイメージを持たれがちです。
しかし台中などの地域では、若者同士の日常会話でも自然に使われています。

日本語と外来語が合わさり、言葉として根付いていいるのは、興味ぶかいね
台湾の人と仲良くなったら、冗談交じりに使ってみるのも楽しいかもしれません。
まとめ:台湾語と中国語の違いを知って台湾での交流をもっと楽しく!
台湾語の基本的な背景や中国語との違い、日常で使えるフレーズを紹介しました。

「呷飽没(ジャバーボエ)?」や「拍謝(パイセー)」は現地の生活に密着している言葉だよ!

発音や文法は中国語と違うけど、日本語由来の言葉も残っていて親近感が湧くね!ローカルな会話に挑戦してみるのも楽しもう
- 台湾語は閩南語をルーツとする「話し言葉」で、中国語とは発音や文法が大きく異なる
- 台湾語と中国語は「英語とドイツ語」くらい違うため、中国語学習者でも一からの習得になる
- ローマ字(POJや台羅など)を多用し、中国語の4声に対し台湾語は7つの声調(トーン)を持つ
- 「リーホー(こんにちは)」など、簡単なフレーズを使うだけで台湾の人にとても喜ばれる
- 「パイセー(拍謝)」は謝罪から感謝まで、日本語の「すみません」と同じ感覚で幅広く使える
- 「アタマコンクリ」など、日本統治時代の影響で日本語由来の単語が今も生活に根付いている
ご自身のペースで言葉を覚えながら、台湾の人々とのコミュニケーションを楽しみましょう。
大学卒業後、台湾の台中で1年間のワーホリを経験。
語学を勉強するのが好きで、大学時代に中国語を副専攻で勉強しながら、ラテン語の授業を受けたり、韓国語を独学で勉強したりした。
また、イタリア語をオンラインで学習中。
語学学習の楽しさやさまざまな国の文化を発信。


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