台湾原住民が古くから愛用してきた、レモングラスのような爽やかな香りを持つスパイス、馬告。

台湾に特別なスパイスがあるって聞いたんだけど、それって何?

それは馬告だね、馬告は台湾原住民が昔から使ってきた香辛料だよ
見た目は黒胡椒に似てるけど、香りも味も全然違うんだ
この記事では、馬告の正体や名前の由来、香りと味の特徴を詳しく解説します。
さらに台湾・日本での購入方法や、家庭で楽しめる使い方のアイデアも交え、馬告をもっと身近に感じてもらえるよう紹介します。
馬告とは?台湾原住民が昔から使う伝統スパイス

馬告は、台湾原住民の暮らしに古くから根付いてきたスパイスで、伝統的な調味料だけでなく民間療法としても活用されてきました。
花蓮をはじめ台湾東部の原住民料理でも、香り付けに欠かせない存在として親しまれています。
ここでは、馬告の正体・名前の由来・香りの特徴について順番に紹介します。
馬告の正体は山胡椒の実
馬告の正体は、クスノキ科木薑子属の植物「山胡椒(shān hú jiāo、学名:Litsea cubeba)」の実を乾燥させたものです。
台湾の中低山地(標高300〜2,000m程度)に自生する落葉性の小木で、夏に実った球状の小さな実を収穫し、乾燥または塩漬けにして保存・利用します。
馬告という名前の由来・呼び方
「馬告」という名前は、泰雅族(tàiyǎ zú / タイヤル族)の言葉「maqaw(マーガオ)」の音を漢字で表したものです。
泰雅族にとって馬告は「命をつなぐ大切な香辛料」という意味合いを持ちます。
太魯閣族(tàilǔgé zú / タロコ族)では「mqrig(ムクリグ)」、賽夏族(sàixià zú / サイシャット族)では「mae’aew(マエッアエウ)」と、部族によって呼び方が異なります。
中国語では「山胡椒」や「山雞椒(shān jī jiāo)」とも呼ばれますが、台湾では原住民の言葉である「馬告」という名前が一般的に使われています。
日本語では「マーガオ」というカタカナ表記で紹介されることが多く、英語では「mountain pepper」とも呼ばれます。
レモングラスのような爽やかで柑橘類のような香り
馬告の最大の特徴は、レモングラスのような香りです。
見た目は黒胡椒に似ているものの、口に入れると胡椒のようなピリッとした辛さよりも先に、爽やかな香りがふわっと広がります。
噛むとほのかな苦味も感じられますが、全体的にスパイシーさよりも爽やかさが際立つ、不思議な味わいのスパイスです。

知り合いの日本人は、初めて馬告が使われた料理を食べたとき、山椒にレモングラスの香りをあとから足してると勘違いしたほどだよ
胡椒嫌いでもハマった馬告の味の特徴

私は胡椒・山椒・花椒(huā jiāo)といった、いわゆる胡椒系の辛味が苦手で、普段の料理ではできるだけ避けるようにしています。
ピリッとした刺激的な辛さが舌に残る感覚が苦手で、胡椒などの香辛料を使った料理は控えていました。
ところが、馬告だけは例外で、初めて食べたときから「これなら食べられる」と感じたほど、胡椒系の中でも変わった存在だと思います。
ここでは、胡椒嫌いの私が馬告にハマった理由を具体的に紹介します。
胡椒・山椒・花椒との違い
馬告は、胡椒のようなピリッとした辛さをほとんど感じにくい点が、ほかの胡椒系スパイスと大きく違います。
馬告は辛さよりもレモングラスのような香りが先に立つため、刺激が苦手な人でも食べやすく感じられます。
また、馬告を使った料理は全体的にさっぱりとした味わいに仕上がるのも特徴です。
脂っこいものが苦手な人でも、馬告の爽やかな香りが脂のくどさを和らげてくれるので、食べやすく感じやすいスパイスだと実感しています。
南投と花蓮で実際に食べてみた感想
南投の九族文化村の中で、初めて馬告を使った「馬告口袋餅」という料理を食べました。
馬告口袋餅は、花蓮の夜市などで親しまれている人気の原住民風ファーストフードです。

確かイノシシの肉を使っていたけど、臭みゼロだったよ!
胡椒系だと台湾人の友達に教えてもらったので、警戒しながら食べたのですが、おいしすぎてびっくりしました。
また、花蓮の原住民料理店で馬告を使った料理を食べたときも、レモングラスのような清涼感のある香りにより一層ハマりました。
胡椒系が苦手な私でも抵抗なく食べられたことが、馬告に対する印象を大きく変えるきっかけになりました。
花蓮で実際に食べた料理の詳しい感想は、以下の記事でも紹介しています。

馬告はどこで買える?台湾・日本での入手方法

馬告は台湾原住民の伝統的なスパイスですが、誰でも気軽に手に入る食材ではなく、特定の場所でしか購入できないことが多いようです。
私自身、南投・花蓮・台東を訪れた際にも、お土産屋などで馬告そのものが売られているのを見かけたことはありませんでした。

台湾人の友達に聞いても、購入場所はわからないようでした
馬告にハマったものの、馬告自体を購入することはできず、お土産として持ち帰れなかったのは少し残念な経験でした。
日本国内でも、取り扱っているお店は決して多くなく、見つけられたら貴重なタイミングなので、即買うようにしています。
台湾の市場・スーパーでの購入方法
台湾では、花蓮や南投など原住民の集落周辺の市場や土産物店で、乾燥させた馬告の実を手軽に購入できます。
また、神農生活や台湾原住民族関連の物産展でも取り扱われることがあり、パッケージ入りの商品も多く流通しています。

神農生活で買えたっていうネット情報もあったよ!
日本での購入方法
日本では、馬告を専門に取り扱う馬告.jpの公式サイトのほか、Amazonや楽天市場Yahoo!ショッピングなどの通販サイトで購入できます。
馬告.jpによると、実店舗では、以下の地域のアジア食材店やスパイス専門店、スーパーの一部で取り扱いがあります。
私自身は以前、大阪のあべのハルカス9階にあった神農生活で馬告を購入したことがありますが、現在は取り扱いがなくなってしまいました。
関西エリアで店頭購入できる店舗は今のところ確認できておらず、現状は通販で購入するのが確実かもしれません。
関西の実店舗については引き続き調べてみますので、見つかった際はあらためて追記します。
なお、馬告に似た見た目で中国産の安価な模造品が流通していることもあるようなので、購入の際は正規の取扱店・通販サイトを利用しましょう。
馬告の使い方を家庭で楽しむレシピ・アイデア

馬告は台湾原住民の伝統料理だけでなく、家庭料理にも気軽に取り入れられる万能なスパイスです。
特別な調理器具も不要で、普段の料理にひとふりするだけで馬告ならではの爽やかな香りをプラスできるのが魅力です。
ここでは、台湾原住民料理での定番の使い方と、家庭での取り入れ方をあわせて紹介します。
台湾原住民料理での定番の使い方
台湾原住民料理では、馬告は塩焼きの魚や馬告入り蔥油餅など、さまざまな料理の香り付けに使われています。
粒のまま塩と一緒にすり潰して馬告塩として使ったり、肉や魚を漬け込む際の下味として使ったりするのが定番です。

馬告は、包丁の腹やすり鉢などで粒を潰すことで、内側に閉じ込められていたレモングラスのような爽やかな香りが一気に弾けるよ
家庭でも簡単に再現でき、いつもの塩焼きや漬け込み料理に馬告を加えるだけで、台湾原住民料理ならではの香りを楽しめます。
家庭料理への取り入れ方
馬告は肉料理との相性が抜群で、鶏肉・豚肉・牛肉などどんな肉とも合わせやすいスパイスです。

実際に使ってみると、肉料理に限らず魚料理やスープ、卵料理、さらにパスタやスープなど、ほとんどどんな料理にも合うよ
難しく考えず、いつもの料理に少量加えるだけで馬告ならではの爽やかな香りが楽しめるので、まずは普段の肉料理に試してみるのがおすすめです。
保存方法・使う際の注意点
馬告は湿気を吸うと香りが飛びやすいため、開封後は密閉容器に入れて冷暗所、できれば冷蔵庫で保存するのがおすすめです。
使う量は少量でも香りがしっかり出るので、最初は控えめに加えて味を見ながら調整するとよいでしょう。
また、前述の通り中国産の模造品が流通していることもあるため、購入時には正規の取扱店であることを確認しておくと安心です。
まとめ:馬告で台湾原住民のスパイスを料理に取り入れよう
馬告の正体や味の特徴、購入場所、使い方について詳しく解説しました。

台湾で見かけたら、まずは香りを確かめてみたいな!

台湾でも日本でも特定の場所でしか手に入らないから、見つけたときに買っておくのもおすすめだよ!
- 馬告は台湾原住民が伝統的に使ってきた山胡椒の実を乾燥させたスパイス
- タイヤル族の言葉で「maqaw(マーガオ)」と呼ばれ、部族によって呼び方が異なる
- 見た目は黒胡椒に似ているが、レモングラスのような爽やかな香りが際立ち、辛さはほとんど感じない
- 胡椒・山椒・花椒が苦手な人でも食べやすく、脂っこい料理をさっぱりさせる効果もある
- 台湾では市場やスーパーには出回らず、原住民部落の生産者や限られた専門店でしか手に入らない
- 日本ではアジア食材店やスパイス専門店の一部で取り扱いがあるが、入荷状況は店舗によって変わる
- 肉料理との相性が抜群で、魚や卵、スープなどほぼどんな料理にも合わせやすい万能スパイス
馬告に出会えたときは、その爽やかな香りをぜひご自身の料理にも取り入れてみてくださいね。
大学卒業後、台湾の台中で1年間のワーホリを経験。
語学を勉強するのが好きで、大学時代に中国語を副専攻で勉強しながら、ラテン語の授業を受けたり、韓国語を独学で勉強したりした。
また、イタリア語をオンラインで学習中。
語学学習の楽しさやさまざまな国の文化を発信。

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