台湾の3大節句の1つ「端午節(Duānwǔjié)」は、ちまきやドラゴンボートレースで知られる初夏の一大イベントです。

端午節って日本の「こどもの日」と同じなの?
台湾ではどんなことをするんだろう?

名前は似ているけど中身はまったくの別物!ちまき文化にドラゴンボートレース、卵立てチャレンジまで、台湾ならではの風習がたくさんあるよ!
この記事では、台湾の端午節の由来やちまき文化、迫力満点のドラゴンボートレース情報、ユニークな風習まで、端午節の楽しみ方を解説します。
端午節をもっと身近に感じて楽しめる内容になっていますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
台湾の端午節とは?2026年の日程と基本情報

台湾の端午節は、旧暦(農暦)の5月5日に祝われる伝統行事です。
中華圏では、春節(旧正月)・中秋節と並ぶ「3大節句」の1つに数えられ、台湾の人々にとって大切な祝日です。
2026年の日程や行事の概要を確認しておきましょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 行事名 | 端午節(duānwǔ jié) |
| 2026年の日程 | 6月19日(金) ※6月19日〜21日が3連休 |
| 位置づけ | 台湾の3大節句の1つ |
| 主な風習 | ちまきを食べる ドラゴンボートレース 立蛋など |
2026年の端午節は、新暦6月19日(金)です。
6月19日〜21日(日)は3連休になり、多くの台湾人が帰省や国内旅行に出かけるため、街の雰囲気がガラッと変わる時期です。

台湾では「端午節を過ぎるまで冬服をしまってはいけない」という言い伝えがあるよ!
旧暦5月はまだ肌寒い日が戻ることもあるためですが、端午節を境に本格的な夏が到来するといわれています。
日本の5月5日「こどもの日」も、元をたどれば同じ「端午の節句」です。
しかし、台湾では子どもの成長を祝う日ではなく、古代中国の詩人で政治家の「屈原(くつげん)」を偲ぶ日として受け継がれてきました。
端午節の由来は?詩人・屈原の物語

台湾の端午節を語るうえで欠かせないのが、古代中国の詩人であり政治家でもあった「屈原(くつげん)」の物語です。
彼は祖国を心から愛した忠臣でしたが、最後は国を追われ、絶望の中で川に身を投げるという悲劇的な最期を遂げました。

屈原の命日が現在の端午節、つまり旧暦5月5日にあたるよ
現在の「ちまきを食べる」「ドラゴンボートレースを行う」といった風習も、すべて屈原の死を悼む行動から生まれました。
なぜ彼がこれほどまでに愛され、台湾の伝統行事として現代まで語り継がれているのか、屈原の生涯と、端午節の始まりについて解説します。
楚国を愛した忠臣・屈原
屈原は、中国の戦国時代(紀元前475年〜紀元前221年)に「楚(そ)」という国に仕えた人物です。
優れた詩人であると同時に、楚国を心から愛する忠義の政治家でもありました。
当時、楚国は外交方針をめぐって揺れていました。
同盟を結ぶ相手として候補に上がっていたのが「斉(せい)」と「秦(しん)」の2国です。
屈原は、秦国が楚国を狙っていることを見抜き、斉国と手を組むべきだと楚王に進言します。
しかし、楚王は奸臣(かんしん)の言葉を信じ、屈原の忠告を退けてしまいました。
楚国の衰退と屈原の最期
楚王は秦国と同盟を結びますが、やがて秦国に裏切られ、戦争で大敗を喫します。
楚国の国力は急速に衰え、屈原は再び「秦国との関係を断つべきだ」と進言しますが、楚王は聞き入れません。
それどころか、屈原を国外追放してしまいます。
秦国の策略にはまった楚王は秦国で抑留され、命を落とし、楚国は秦国に攻め込まれ、都まで占領されてしまいました。
祖国の滅亡を知った屈原は深い絶望の中、汨羅江(べきらこう)という川に身を投げて亡くなりました。
屈原が身を投げた日が旧暦5月5日だったことから、以降、屈原を偲び供養する日として受け継がれています。

屈原の愛国心と悲劇の物語が、2000年以上経った今でも端午節として生き続けているんだね
端午節の定番グルメ「粽(ちまき)」はおいしい?

台湾の端午節に欠かせない食べ物といえば「粽(ちまき)」です。
端午節が近づくと、家庭での手作りに加え、市場やレストラン、コンビニなど至るところでちまきが販売されます。
台湾に住んでいると、職場の同僚やご近所さんから手作りちまきをもらう機会もあり、この時期ならではの嬉しい交流の1つです。
実際、私も家庭教師をしている家でご馳走になりました。今でも忘れられないほどおいしかったです。
台湾のちまきは「おこわ」タイプ
日本のちまきは甘い餅菓子ですが、台湾のちまきは、もち米にお肉やしいたけなどの具材を混ぜ込んだ、「おこわ」タイプの料理です。
笹や竹の葉を使って特徴的な三角形に包み、三角形には古くから「魔除け」や「邪気払い」の効果があるとされてきました。
無病息災の願いが込められた、端午節に欠かせない縁起物です。
葉を開くとフワッと広がる笹の香りと、ギュッと詰まった具材の旨味が食欲をそそります。
北部と南部で味が違う!
台湾のちまきは地域によって作り方や味付けが大きく異なり、「北部式」と「南部式」の2つに分かれます。
台湾人の間でも「北部粽と南部粽、どちらがおいしいか」は毎年盛り上がる定番の話題です。

ちまきの品ぞろえなら、台北の「南門市場」が圧倒的!北部粽・南部粽をはじめ、客家粽やアルカリ粽までさまざまな種類が並ぶから、食べ比べにぴったりだよ!
近年ではアワビや松茸を使った高級ちまきや、ドライフルーツやチョコレートを取り入れたスイーツ系ちまきなど、バリエーションも広がっています。
ホテルやスターバックスが発売する限定ちまきも毎年話題になるので、チェックしてみてください。
北部式ちまき(北部粽)
もち米をあらかじめ炒めてから、豚の角煮・塩漬け卵・ピーナッツ・干しエビなどの具材と一緒に笹の葉で包み、蒸し上げます。
しっかりした塩味と油の風味が特徴で、食べ応えがあります。
南部式ちまき(南部粽)
生のもち米に、ピーナッツ・椎茸・栗・豚肉などの具材を合わせて笹の葉で包み、たっぷりのお湯で茹でて仕上げます。
もち米がやわらかくもっちりとした食感になり、北部式に比べてやさしい甘みのある味わいです。
南北の魅力が融合した「中部式ちまき」
台湾のちょうど中間に位置する台中などの中部エリアでは、北部と南部の食文化が混ざり合った「南北融合」のユニークなちまきが味わえます。
基本の作り方は南部式と同じ「水煮(茹でる)」スタイルで、もっちりとした粘り気のあるやわらかい食感が特徴です。
具材は豚肉、しいたけ、塩漬け卵といった定番に加え、ピーナッツや栗が入っています。
一番驚いたのが、ちまきに台中名物のチリソース「東泉辣椒醬」など、甘辛いタレを付けて食べることです。
先述の通り、実際に私も台中のお宅で手作りちまきをご馳走になりましたが、ゴロゴロとしたたっぷりの具材に甘辛タレが合い、おいしかったです。
なぜ端午節にちまきを食べるの?

端午節にちまきを食べる風習も、先ほど紹介した屈原の物語に由来しています。
絶望の末に川へ身を投じた屈原の死を深く悲しんだ楚国の人々は、彼の遺体が魚に食べられてしまわないよう、もち米を竹の葉で包んで川へ投げ入れました。
民衆の弔いの行動が、やがて「端午節にちまきを食べる」という風習として定着します。
一人の愛国者を想う気持ちは、2000年以上が経った今でも台湾全土で大切に受け継がれているのです。
大迫力!ドラゴンボートレースの見どころと2026年の開催情報

台湾の端午節で、ちまきと並ぶもう1つの主役が「ドラゴンボートレース(龍舟競賽/lóngzhōu jìngsài)」です。
龍の頭と尾が付いたカラフルなボートに漕ぎ手たちが乗り込み、船頭が打つ太鼓のリズムに合わせて水面を駆け抜けます。
息を合わせて一斉に進む大迫力のスピードレースで、各地の会場は毎年大きな盛り上がりを見せます。
ドラゴンボートレースの起源
ドラゴンボートレースが始まった理由も、実はちまきと同じく屈原の物語と深くつながっています。
川へ身を投げた屈原の遺体を少しでも早く見つけ出そうと、楚国の人々が急いで舟を漕ぎ出したのが起源です。
その際、魚が遺体を食べてしまわないように、大きな音で太鼓を打ち鳴らして追い払ったといわれています。
また、レースには神様を迎え入れ、疫病や災いが広がらないようにと祈願する大切な意味も込められています。
レースの雰囲気と見どころ
端午節が近づくと、台湾各地の川や運河で学生チームや企業チームが連日練習する姿を見かけるようになります。
日常の風景がレース一色に変わっていく様子は、台湾に住んでいるからこそ感じられる季節の移ろいです。

レース本番の迫力は想像以上だよ!
数十人の漕ぎ手がひとつのボートに乗り込み、船頭の太鼓に合わせて一斉にオールを漕ぐ姿は圧巻です。
ゴール付近では複数のボートが横一線に並ぶ接戦も多く、沿岸からは大きな歓声が上がります。
会場周辺には屋台やフードブースも出店されるので、食べ物を片手にレース観戦するのがおすすめです。

職場や学校のチームで参加するケースもあるから、自分もメンバーとして漕いでみるチャンスがあるかも!
2026年の主なドラゴンボートレース開催地
2026年の各レースの詳細日程は、例年3月〜6月頃に順次発表されます。
以下は例年開催される主な会場です。
お住まいの地域の近くで開催されるレースを、ぜひチェックしてみてください。
| 大会名 | 開催地 | 会場 |
|---|---|---|
| 台北国際ドラゴンボート選手権 | 台北市 | 基隆河 大佳河濱公園 |
| 新北市議長杯ドラゴンボートレース | 新北市 | 微風運河 |
| 鹿港ドラゴンボートフェスティバル | 彰化県鹿港 | 福鹿溪 |
| 台南国際ドラゴンボート選手権 | 台南市 | 安平運河 |
| 高雄愛河ドラゴンボートレース | 高雄市 | 愛河 |
台湾の各都市で開催されるレースの中でも、上記はとくに規模が大きく見応えのある大会です。
会場周辺にはたくさんの屋台が並び、台湾ならではのローカルな活気とお祭り気分を存分に味わえます。
3連休の予定がまだ決まっていない方は、友人や同僚を誘って熱気あふれる観戦に出かけるのもおすすめです。
ちまきやボートだけじゃない!端午節のユニークな風習3選

台湾の端午節には、ちまきやドラゴンボート以外にも古くから伝わる独自の風習が数多くあります。
すべて「邪気払い」や「無病息災」を願うもので、台湾の人々の生活に深く根付いています。
ここでは、台湾で暮らすならぜひ知っておきたい、とくに代表的な3つのユニークな風習を紹介します。
それぞれ詳しく紹介するので、実際に試してみましょう。
立蛋(lì dàn)|正午に卵を立てると幸運が訪れる?
「立蛋」は、端午節の正午12時ちょうどに卵を立てる風習です。
陰陽五行の考えに基づき、1年で最も「陽の気」が強まるとされる端午節の正午に卵を立てられたら、1年間幸運に恵まれるという言い伝えがあります。
台湾では、端午節の正午になると自宅の床などで卵立てに挑戦する家族の姿が見られます。

SNSでも「卵が立った!」という写真がたくさん投稿される、この時期ならではの光景だよ!
スーパーで買った普通の卵で挑戦できるので、ぜひご家族や友人と一緒に楽しんでみてください。
香包(xiāng bāo)|ヨモギの香り袋で厄除け
「戴香包(dài xiāng bāo)」は、ヨモギやショウブなどの香草を詰めた小さな刺繍袋を子どもの首にかける習慣です。
端午節の時期は旧暦で「毒月」とも呼ばれ、気温と湿度が上がり体調を崩しやすい季節です。
香包には、邪気や病を遠ざける厄除けの意味が込められています。
色とりどりのかわいいデザインが多く、市場や夜市でも手軽に購入できます。
また、家の玄関にヨモギやショウブの束を吊るすのも定番の風習です。
葉の形が虫や毒を退ける「剣」の象徴とされ、家に災いが入るのを防ぐと信じられてきました。

日本では菖蒲湯に入るけど、台湾では吊るすよ
端午節が近づくとマンションの玄関先に飾られることが多いので、ご近所を歩く際にぜひ注目してみてください。
午時水(wǔ shí shuǐ)|端午節の正午に汲む「開運の水」
「午時水」とは、1年で最も陽気が強いとされる端午節の11時〜13時の間に汲んだ水のことです。
台湾では、午時水を飲むことで無病息災や運気好転のご利益があると信じられており、特に自然の湧き水が効果の高い午時水とされています。
毎年この時間帯には各地の有名な水源地に午時水を求める人々が集まり、大きな賑わいを見せます。
端午節の連休で気をつけたい生活面の注意点

端午節は台湾の国民的な大型連休のため、普段の生活リズムとは異なる部分があります。
台湾で生活している方は、以下のポイントを事前に押さえておくと安心です。
連休中もトラブルなく快適に過ごせるよう、上記の3つの注意点についてそれぞれ詳しく解説します。
お店や病院の休業
端午節の連休中は、個人経営の飲食店やクリニック、銀行の窓口などが休業になるケースが多くあります。

行きつけのお店や通院先がある場合は、連休前に営業予定を確認しておこう!
スーパーやコンビニは基本的に通常営業ですが、一部の市場は休みになることがあります。
食材の買い出しは連休前に済ませておくのがおすすめです。
交通機関の激しい混雑
連休中は帰省や国内旅行に出かける人が増えるため、台鐵や高鐵、高速バスは非常に混み合います。
特に連休初日と最終日は切符が取りにくくなるため、移動の予定がある方は早めの予約が必要です。
高速道路も例年渋滞が激しく、普段の倍以上の所要時間がかかることも珍しくありません。
バイクや車で移動する方は、時間に余裕を持って出発しましょう。
本格的な暑さへの対策
端午節の頃の台湾は、気温30℃を超える日が増え、湿度も高くなります。
ドラゴンボートレースの観戦など屋外で過ごす予定がある場合は、日焼け止め・帽子・こまめな水分補給といった暑さ対策をしっかりしましょう。
まとめ:端午節を通じて、台湾の文化をもっと楽しもう!
台湾の端午節について、由来や食文化、ドラゴンボートレース、ユニークな風習、連休中の生活面の注意点まで詳しく解説しました。

ちまきのを食べ比べたり、ドラゴンボートレースを観に行ったり、卵立てにチャレンジしたり、端午節は台湾の文化にどっぷり浸かれる最高の機会だね!

2026年の端午節は6月19日から3連休!せっかく台湾にいるなら、台湾人の友人や同僚と一緒に端午節を過ごしてみると、もっと台湾が好きになるよ!
台湾の端午節 ポイントまとめ
- 2026年の端午節は6月19日(金)で、6月19日〜21日の3連休
- 端午節の由来は、古代中国の詩人・屈原が汨羅江に身を投げた故事に基づく
- 台湾のちまきはおこわタイプで、地域によって味が異なる
- ドラゴンボートレースは台北・台南・高雄など台湾各地で開催され、職場や学校のチームで参加するケースも
- 立蛋(卵立て)・香包(香り袋)・午時水(開運の水)など端午節ならではの風習も
- 連休中は飲食店や病院が休業することがあるため、必要な買い物や通院は事前に済ませておく
- 台鐵・高鐵・高速バスは混雑するため、移動の予定がある場合は早めの予約を
台湾で暮らしているからこそ味わえる端午節の空気感を、ぜひ存分に楽しんでくださいね。
大学卒業後、台湾の台中で1年間のワーホリを経験。
語学を勉強するのが好きで、大学時代に中国語を副専攻で勉強しながら、ラテン語の授業を受けたり、韓国語を独学で勉強したりした。
また、イタリア語をオンラインで学習中。
語学学習の楽しさやさまざまな国の文化を発信。


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