1年に1度、4月に台湾最大の宗教行事である「大甲媽祖遶境(dà jiǎ mā zǔ rào jìng)」が行われます。

「大甲媽祖遶境」はどんなお祭り?いつどこでするの?

「大甲媽祖遶境」についてどんな祭りか調査してみよう!
この記事では、大甲媽祖遶境はいつ?どんな祭り?台湾最大の宗教行事について紹介します。
【2025最新】大甲媽祖遶境はいつ?

2025年の「大甲媽祖遶境」は4月4日から4月13日までです。
台中の大甲區にある鎮瀾宮を4月4日22時45分に出発し、8泊9日かけて台湾中部をめぐり、4月13日に鎮瀾宮に帰ってきます。
その距離およそ340㎞で、台湾各地や世界中から集まる信者は徒歩で媽祖をお守ります。
世界三大宗教イベントの1つに数えられるため、近年は海外からの参加者が増加中
しかし、一般の参加者はすべての行程を歩く必要がありません。
一部の区間だけ参加できるため、無理せず祭りを楽しみたい方は、特定のルートや宿泊地で合流し、短時間で媽祖をお守りするために歩いてみましょう。
大甲媽祖遶境とはどんな祭り?
大甲媽祖遶境とは、媽祖の誕生日(旧暦3月23日)を祝うための巡礼です。
上の動画のように媽祖に合わせて歩いたり、走ったりしながら各地の媽祖廟をめぐります。
巡礼中の様子は参加していなくても、すぐ近くまで見に行けます。

思ったよりも近いところで見れるんだね!
上の動画は、2023年筆者が実際に近くまで見に行ったときの動画です。
この動画を撮る前にいた場所は人が多すぎてほぼ何も見えなかったのですが、移動したら間近で見れました。
とても賑やかで多くの人が参加するだけでなく、祭りの様子を見に行き、カメラに収めていました。
廟の近くでは屋台があって、台湾名物の「大腸包小腸(dà cháng bāo xiǎo cháng)」や「蔥油餅(cōng yóu bǐng)」などが食べられます。
台湾最大の宗教行事「大甲媽祖遶境」

「大甲媽祖遶境」は台湾最大の宗教行事で、世界三大宗教イベントの1つです。
以前は福建省湄洲に渡航による「進香」という巡礼が行われていました。
しかし、日本統治時代に禁止され、その後国内で媽祖をお迎えしながら進香する形が定着して、現在の「大甲媽祖遶境」へ形を変えました。
大甲媽祖遶境の際に行う儀式
大甲媽祖遶境の際に、以下の儀式を行います。
儀式名 | 儀式の内容 |
筊筶典禮(jiǎo gǎo diǎn lǐ) | 元宵節に媽祖にお伺いを立て、遶境の日程を決定する。 |
豎旗典禮(shù qí diǎn lǐ) | 出発前に廟の入り口の柱に旗をを掲げ、遶境の開始を告げる |
祈安典禮(qí ān diǎn lǐ) | 出発前日に巡礼の安全と成功を祈る |
上轎典禮(shàng jiào diǎn lǐ) | 媽祖を神輿に乗せる |
起駕典禮(qǐ jià diǎn lǐ) | 媽祖を乗せた神輿が出発する |
駐駕典禮(zhù jià diǎn lǐ) | 新港奉天宮に入り、媽祖を安置して媽祖に感謝と祈りを捧げる |
祈福典禮(qí fú diǎn lǐ) | 新港奉天宮に到着した翌日の早朝に媽祖に祈りを捧げる |
祝壽典禮(zhù shòu diǎn lǐ) | 午前8時に媽祖の誕生日を祝う |
回駕典禮(huí jià diǎn lǐ) | 復路に出発する前日夕方、媽祖に無事を祈る |
安座典禮(ān zuò diǎn lǐ) | 大甲鎮瀾宮に戻り、媽祖を安置する |
大甲媽祖遶境の日程

2025年大甲媽祖遶境の日程は上の画像の通りで、以下は日程を表にしてGoogleマップのリンクを貼りました。
場所は媽祖が宿泊する廟です。
日にち | 場所 |
4月4日 | 大甲鎮瀾宮 |
4月5日 | 彰化市南瑤宮 |
4月6日 | 西螺鎮福興宮 |
4月7日 | 新港奉天宮 |
4月8日 | 午前8時に祝寿大典(媽祖の誕生日を祝う儀式) |
4月9日 | 西螺鎮福興宮 |
4月10日 | 北斗鎮奠安宮 |
4月11日 | 彰化市天后宮 |
4月12日 | 清水区朝興宮 |
4月13日 | 大甲鎮瀾宮 |
毎年ルートの調整はありますが、基本的に上記の廟をめぐります。
2025年4月7日に新港奉天宮に着き、次の日の朝8時に媽祖の誕生日を祝う儀式を行ったあと、大甲鎮瀾宮への帰路に就く。
大甲媽祖遶境のルート

大甲媽祖遶境のルートは特にありません。
媽祖が気分によって決めるので、ルートは予測不可能です。
そのため、媽祖が今どこにいるのかわかるようにアプリがあり、そのアプリで確認します。

アプリで媽祖の場所がわかるなら便利だね♪
実際には、あらかじめ大体のルートや到着時間が決まっているのですが、本当に媽祖の気分であぜ道や田舎道に入っていくこともあります。
その場合、予定時刻を大幅に過ぎることもあり、基本的には予定通りにいきません。
台湾一の女神「媽祖」とは

媽祖は台湾一の航海と漁業を守護する道教の女神です。
中国沿岸部の福建省や潮州を中心に台湾など華僑の間で広く信仰されています。
台湾には台南に移住してきた福建省の開拓民とともに、伝来しました。
現在では台湾でもっとも親しまれる最高神として信仰を集めている
馬祖列島に残る媽祖の伝承
実は媽祖は実在した人物で、台湾の離島である馬祖列島には以下のような伝承が残されています。
960年中国の北宋時代に福建省沿岸の小さな漁村の官吏・林愿の7女として生まれました。
生後1ヶ月間も泣き声を上げなかったことから、「林黙娘(lín mò niáng)」と名付けられました。
子どもの頃から才智に長けていて16歳で神に導かられ、法力を持つ銅制の札を授けられたといわれています。
各地を巡回して神通力で悪や禍を退けたり、人々の病を癒したりしたため、黙娘は「通玄の霊女」と尊敬の意を込めて呼ばれるようになりました。
しかし、ある日、父親が海難事故に遭って行方不明になります。
黙娘は非常に嘆き悲しみ、村を立ち去ります。
987年9月9日、媽祖は峨眉山の山頂で仙人に導かれて昇天しました。
数え年で29歳のときでした。
媽祖が昇天した後、赤い衣装を身に纏い海上を舞って、海難事故に遭った人々を救助する媽祖の姿が見られるようになります。
生前から人々を守ってきた媽祖のため、人々は媽祖廟を建てて信仰するようになりました。
以上の伝承が残る馬祖列島の名前は「媽祖」が由来です。

海難事故に遭った人々を救助するから、航海と漁業の女神なんだね
まとめ:2025年4月4日から13日に大甲媽祖遶境が開催される
以上、大甲媽祖遶境はいつ?どんな祭り?台湾最大の宗教行事について紹介しました。

2025年は4月4日から13日まで!

一目でもどんなお祭りなのか見てみたい!
- 2025年4月4日から13日に大甲媽祖遶境が開催される
- 大甲媽祖遶境は女神・媽祖の誕生日を祝う行事
- 大甲媽祖遶境は台湾最大にして世界三大宗教行事の1つ
- 2025年大甲媽祖遶境のルートは、大甲鎮瀾宮・彰化市南瑤宮・西螺鎮福興宮・新港奉天宮・西螺鎮福興宮・北斗鎮奠安宮・彰化市天后宮・清水区朝興宮・大甲鎮瀾宮
- 大甲媽祖遶境の詳細なルートは決まっていない
- 媽祖は台湾一の航海と漁業を守護する道教の女神
2025年は4月4日から大甲媽祖遶境が始まります。
みなさんも台湾最大の媽祖の行事を見に行きませんか。
大学卒業後、台湾の台中で1年間のワーホリを経験。
語学を勉強するのが好きで、大学時代に中国語を副専攻で勉強しながら、ラテン語の授業を受けたり、韓国語を独学で勉強したりした。
また、イタリア語をオンラインで学習中。
語学学習の楽しさやさまざまな国の文化を発信。
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