みなさんは台湾の端午節についてどれくらい知っていますか。

あんまり知らないな~
台湾ではどんなことをするのかなあ
この記事では、台湾の端午節では何をするのかや何を食べるのか、その由来について紹介します。
台湾の端午節とは

旧暦5月5日は「端午節」です。
2024年の端午節は、新暦6月10日の月曜日で、3連休になります。
中華圏で端午節は、春節、中秋節と並ぶ三大節句に数えられるほど重要な行事の一つです。
そして、台湾では「端午節まで冬物衣類はしまってはいけない」といわれています。
それは、端午節を過ぎると長く厳しい夏がやってくるという意味でもあります。
端午節の由来
日本の子どもの日とは違い、台湾の端午節は「屈原」を供養する日です。
屈原とは、中国の戦国時代楚国の詩人であり、楚国を愛し楚国に尽くした政治家でした。
屈原が仕えていた楚国は、国を安定させるため、手を組む外交相手をどこの国にするかを決めかねていました。
外交相手の候補は、「斉」と「秦」でした。
屈原は秦国が楚国を狙っていることを見抜き、斉国と同盟を結ぶよう楚王に進言しますが、王は奸臣の言うことを信じ、屈原の話には全く聞く耳を持ちませんでした。
楚王は秦国を同盟を結びますが、秦国に裏切られ、戦争で大敗します。
楚国の国力は衰えていき、屈原は楚王にこれ以上秦国と関わるべきでないと進言しますが、結局楚王は秦の話に乗ってしまいます。
その上、なんと王は屈原を国外追放してしまいます。
結果、秦国の罠にはまった楚王は、秦国で抑留され殺されてしまいます。
その後、楚国は秦国に攻め込まれ、都を占領されてしまいました。
それを知った屈原は失望し、汩羅江という川に身を投げて自害しました。
その日が旧暦5月5日だったので、以降その日は屈原を供養する日になりました。
端午節に食べられる粽

台湾では、端午節に粽を食べるのが一般的です。
家庭で粽を作ったり、市場やレストランでも粽がたくさん販売されます。
この粽は日本の粽とは違い、おこわの粽です。
形は三角形で、これは魔除けの効果があるといわれています。
台湾北部の粽は、炒めたもち米に豚の角煮や塩漬けの卵、ピーナッツなどを入れて笹の葉で蒸したものです。
一方、台湾南部の粽は、もち米とピーナッツや椎茸、栗などの具材を笹の葉で包み茹でたものです。
一般的に北部のほうが塩味があり、南部のほうが甘めの味です。

地方によって味や調理法が違うから、いろんなところで粽を食べたいね!
中にはアワビを入れた粽もあるそうで、台湾の粽は栄養満点で贅沢な粽です。
では、どうしてこのような粽を食べるのでしょうか。
それは、上記で登場した屈原が関係しています。
屈原は、旧暦5月5日に汨羅江に身を投げて亡くなりました。
そのとき、楚国の民は屈原の死をいたく悲しみ、亡くなった屈原の身体が魚に食べられないように、魚の餌として川に粽を投げ入れました。
これが、端午節に粽を食べる由来と言われています。
端午節に行われるボートレース

台湾の端午節でもう1つ有名なことは、「ドラゴンボートレース」です。
中国語で「龍舟比賽 (lóngzhōu bǐsài)」といい、「龍舟」が「ドラゴンボート」、「比賽」が「レース、試合」という意味です。
ドラゴンと言っても、中華圏なので見た目は日本と同じ「龍」ですよ。
端午節の前は、学生たちがドラゴンボートレースに向けて、一生懸命練習している光景を大きな池などで見かけます。
また、このドラゴンボートレースの起源も屈原が関係しています。
楚国の民が亡くなった屈原の遺体を魚に食べられないように、舟を漕ぎながら太鼓を鳴らして探したことが起源です。
そして、ドラゴンボートレースは神様を迎えて、疫病などが流行らないようにという願いも込められています。
その他端午節にすること

台湾の端午節では、粽を食べたりやドラゴンボートを見たりする以外にもよくすることがあります。
ここでは特に有名な3つを紹介します。
立蛋(lì dàn)
立蛋(lì dàn)とは、12時に卵を立てる風習です。
台湾の子どもたちが楽しみにしていることの一つで、陰陽の考えで最も陽の気が強くなるとされる端午節の正午12時に卵を立てることができたら、次の1年間幸運がもたらされるという言い伝えがあります。
古くから、端午節の12時が一番地球の引力が強くなると言われ、卵を一番立てやすいとされていますが、実際のところ、地球の引力は1年365日全て同じらしいので、本当はいつ立蛋をやっても同じなのかもしれませんね。
戴香包(dài xiāng bāo)
戴香包(dài xiāng bāo)は、ヨモギなどの香りの付いたものを包み子供の首にかける習慣です。
この季節は体調を崩すやすいため、戴香包は厄除けの意味も込められています。
また、家の門にヨモギやショウブの束をかけます。
ヨモギやショウブの束は、虫や毒、不吉なものを取り除く剣の象徴ですので、それを家の門につるすとそれらを追い払うことができると伝えられています。
午時水(wǔshíshuǐ)
午時水(wǔshíshuǐ)とは、一年中で陽気が一番強い端午節の11時~13時の間に汲んだ水のことです。
台湾では、午時水を飲んで無病息災や運気好転を願う風習があります。
自然に湧き出る水が最も優れた午時水とされ、毎年この日には多くの人々が有名な水源地を訪れ、午時水を求めて賑わいます。
まとめ
以上、台湾の端午節について、食べ物や由来なども紹介しました。

日本とは全然違うけど、大きな行事で楽しそうだね!
この時期に台湾へ旅行すると、食べ物や観光するところがたくさんあり、とても楽しめのでおすすめですよ。
大学卒業後、台湾の台中で1年間のワーホリを経験。
語学を勉強するのが好きで、大学時代に中国語を副専攻で勉強しながら、ラテン語の授業を受けたり、韓国語を独学で勉強したりした。
また、イタリア語をオンラインで学習中。
語学学習の楽しさやさまざまな国の文化を発信。
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